ハウスメーカーの下請業者

ハウスメーカー下請業者
ハウスメーカーに家作りを依頼しても、実際に作るのは下請業者です。

私は仕事上のお付き合いで、下請として仕事する工事業者さんを数十社知っています。

そこで今回は、それらの工事業者さんから聞いた話や、ハウスメーカーの営業マンから聞いた話をもとにして、ハウスメーカーと下請業者の関係について書いてみます。

本当なら直接施工が良い

可能であるのなら、下請業者が入らず、元請(ここでいうハウスメーカー)が直接施工することが良いです。
中間マージンがなくなりますので、建築費用が安く上がるからです。

現場作業は下請業者

直接施工が良いという理想はあるものの、通常は下請業者の手によって家が作られます。

景気等によって受注件数に波がありますので、ハウスメーカーとしては、すべて自社で職人さんを雇用することは経営上のリスクになります。
景気が悪いときに、遊ばせておくにはいかないということですね。

そこで必要になるのが、仕事単位で発注できる下請業者になるわけです。

下請業者の下請業者が入る場合も

元請(ハウスメーカー)

下請業者(一次下請)

孫請業者(二次下請)

ひ孫請業者(三次下請)

さらなる下請業者…

というように、下請業者の下請として仕事をする業者もあります。

私が仕事でお付き合いしていた工事業者さんは、六次下請として仕事をしていたこともありました(ハウスメーカー案件ではなく、店舗の内装工事でした)。

そのように、下請業者がたくさん連なる形は最悪です。

実際に仕事をするのは末端の下請業者ですので、間に入っている下請業者は、請けた仕事を別の業者に流しているだけの場合もあります。
何も作業をしないで、中間マージンだけもらうパターンです。

そういう中間マージンは、最終的には施主が負担することになります。
元請に支払った建築代金の中に含まれている状態です。

それって、家を建てたい私たちから見れば、本当に無駄なお金です。

下請業者が連なったときの問題点

下請業者が連なると、いろいろな問題が出てきます。
たとえば、

  • 間に入っている下請業者による工事代金不払いリスク
    → 末端の下請業者の仕事が雑になったり、仕事を放棄したりする恐れがあります
  • 複数の業者が入ることによって、内部的な責任の所在が不明確になる
  • 問題への対処が遅れる

などの問題が起こりえます。

ですので、下請業者がどれだけ入るのか、ハウスメーカーにしっかりと確認されておかれることをおすすめします。

ハウスメーカーと下請業者の関係

以下、私がハウスメーカーの担当営業マンから聞いた、そのハウスメーカーと下請業者の関係について書いてみます。

住友不動産

現場監督は住友不動産社員。
工事作業は、住友不動産指定の一次下請業者。
ギリギリの金額で発注を出しているため、一次下請業者が二次下請に仕事を出せる状況にないとのことです。

なお、住友不動産の下請業者になるには、住友不動産への登録が必要のようです。
その登録の際、工事業者に対し、財務諸表の提出を要求するそうです。
下請業者は「財務的に安定している会社」というのが絶対条件のようです。
建築途中で倒産したら困りますからね。

トヨタホーム

トヨタホーム指定の一次下請業者によって施工。
普段からトヨタホームの仕事を請け負っている業者であるため、営業マンとも顔なじみになっている場合もあるようです。

ダイワハウス

ダイワハウス指定の一次下請業者によって施工。

積水ハウス

関連会社の積和建設が下請となり、その積和建設が指定する下請業者(積水ハウスから見れば二次下請業者)によって施工。

ミサワホーム

ミサワホーム指定の一次下請業者によって施工。

一条工務店

一条工務店指定の一次下請業者によって施工。

三井ホーム

三井ホーム指定の一次下請業者によって施工。

上記の注意点など

上記の内容は、あくまでもハウスメーカーの営業マンから聞いた話です。

某営業マンからは、この件に関する話は信用しないほうが良いと忠告されました。
もしかしたら、下請業者が連なる場合があるのかもしれません。

各ハウスメーカーの営業マンの話を信じるとするのなら、全般的には一次下請までしか入らないようです。
ただし、積水ハウスについては、二次下請まで入ります。

積水ハウスの営業マンが言うには、「トリプルチェックが入るので安心感が増します」とのことでした。
これを良しとするか否かは、個人個人の判断によりますね。

私の場合でいえば、それを良しとはしませんでした。
なぜなら、自社側でトリプルチェックをやっているくらいなら、中立な立場で見てくれるホームインスペクターにチェックしてもらったほうが良いと思うからです。